犬との旅行は必ず行かなければいけないというものではありませんが、一緒に出かけることのメリットはいくつかあります。初めて訪れる場所で一緒の時間を過ごすことは、飼い主との絆を強くするのに役立ちます。
初めての土地では犬も緊張し不安を感じるものですが、飼い主を信頼していれば犬にとってはそれほどのストレスにはなりません。さらに犬が新しい経験を積むことで社会性が高まり、人間社会への適応力が増すことにもつながります。
いつもと違う環境で過ごすことは犬にとって違和感のあることです。いつもと違う食器やいつもと違う部屋、そんな環境の中でどう過ごすのか。何に戸惑い、何に喜ぶのか。愛犬の違った一面を発見できるかもしれません。
そして、何よりも楽しい思い出づくりになります。残念ながら犬の寿命は人間より短く、いつかは先に逝ってしまう日がきます。老犬になってからの旅は犬の肉体面で難しい部分(シニア商品 介護ケア>>) が出てくるので、一緒に行ける間にたくさんの楽しい時間を共有することをおすすめします。
犬が旅を喜ぶためには、移動への慣れ、そして旅と楽しみとの関連づけなどが必要になってきます。車に乗るのを嫌がる犬は、車に乗る度におやつを与えたり、いつも散歩に行く近所の公園へわざわざ車で出かけたりするなどして 車=楽しい という関連づけをしていきましょう。
鉄道での旅行を計画している人は、自宅から3~4駅の距離を何度か乗るなどして慣らしておきましょう。列車の揺れや人の乗降、ドアの開く音など、犬にとっては不安な要素がいっぱいです。ここでも駅に降りたらおやつを与えるなどして、楽しいことと関連づけをしておきましょう。旅行専用のキャリーやクレートを用意して、そこに入れば楽しいことがあるといった関連づけもよいでしょう。
今はペットと泊まれる宿が充実していて、日本全国どこへ行っても宿探しで苦労することはないと思います。ここで迷うのが、“ほとんどがペット連れの宿”か、“ペットも泊まれる宿”かの選択です。
前者は犬好きの方が経営するペンションなどが典型的な例です。後者は、老舗ホテルなどが顧客サービスの一環として、ペットと一緒に宿泊できる環境をごく一部だけ用意している場合です。どちらも良い点はありますが、ここでのおススメは老舗ホテル。旅先でペットオーナー同士が交流するはとても魅力的ですが、ペットに関心がない人たちの中でも上手に過ごすことができれば、それは犬の自信にもつながり、愛犬との貴重な思い出がひとつ増えます。今はインターネットなどで手軽に調べられるので挑戦してみてはいかがでしょうか。
目的地まで何で行くか? 多くの方は車で旅に出ることが多いと思いますが、列車や飛行機、船でも旅を楽しむことは可能です。それぞれの移動手段における注意点をみていきましょう。
ふだんの生活で車に乗り慣れていれば問題はないのですが、運転中はキャリー、クレートの中に入れるか専用のベルトで運転席に近づけないようにしておきましょう。 窓から顔を出している犬をときどき見かけますが、自分の、そして周囲の安全運転のために控えるべきです。
最近では高速道路のサービスエリアには無料のドッグランが充実しており、決まった排泄場所もあります。連続して長い距離を走行するのは犬にとって負担となります。 なるべくこまめにサービスエリアに寄り、ドッグランなどで楽しませましょう。
排泄は決められた場所まで控えさせるのがマナー。車から降りてすぐに排泄したがる犬には、キャリーごと決められた場所まで運ぶか、マナーベルトを装着しましょう。
新幹線などの列車を上手に使うと旅の幅も広がります。しかし、乗車できるのはキャリーに入る小型犬に限られ、手回り品(手荷物)として乗車します。JR各社ではキャリーの大きさは長さ70センチ以内でタテ・ヨコ・高さの合計が90センチ以内、キャリーと動物をあわせた重さが10キロ以内と決められています。手回り品きっぷは駅の窓口で購入します。料金は距離に関係なく1乗車につき270円(2014年3月時点)。時間が許すならば、2~3駅乗車して列車の速度や音に慣れさせましょう。
車内ではほかの乗客に迷惑がかからないよう気をつけなければなりません。よく吠えてしまう犬には、慣れるまで様子を見てムリをさせない気持ちが大切です。(マナーマスク)また、犬を飼っていない人にとっては少しのニオイでも気になるもの。お出かけ前にはシャンプーを済ませるなど、衛生面にも気を配りましょう。
飛行機の移動は、乗客の目に届かないエリアに置かれることになるので、室温管理や気圧への適応が気になります。
ペット運搬サービスを提供している航空会社もありますが、犬には負担が大きいもの。できるならば他の交通手段を考えましょう。
飛行機を使わず長距離を移動したい場合はフェリーという手もあります。距離や会社によって、乗車の方法は異なりますが、フェリー会社によっては犬と一緒に過ごせる個室を用意している航路もあります(大阪~北九州航路)。
少し旅慣れてきたら、フェリーで離れた場所を訪れるのもよいでしょう。ただし、船酔いに対するケアは必要です。今は動物病院でもらえる酔い止めの薬もあるので、計画の前にかかりつけの獣医師に相談しておくとよいでしょう。
旅先では排泄のルールが変わってしまうことで犬は不安を覚えます。決められたコマンド(命令)で排泄することに慣れていない犬は、あらかじめマナーベルトを装着するなどして旅先に迷惑をかけないよう心がけましょう。逆に食器や飲水用の容器は、旅行専用のものを用意して、ふだんの生活とは違うことを認識させるもよいでしょう。旅行専用グッズと楽しい経験が関連づけられ、次の旅が楽しいものになるはずです。
犬が多く泊まる宿では、犬同士、オーナー同士の交流もあります。シャンプーだけではなく、トリミングや爪切りなど衛生面には気をつけ、犬も人間も気持ちよく交流できるように準備しましょう。
携帯用食器はこちら >>
犬と一緒に旅するためには少しの準備は必要ですが、きっと楽しいことが待っています。 思い立ったときが行動のとき。楽しい旅に向けて今から準備をはじめましょう。