【商品説明】
“動物とのかかわりが人に良い影響をもたらす”そのメカニズムをさまざまな分野の論文や実例に基づき、わかりやすく検証。近年、人が動物とふれあったり、共に過ごすことにより、心が和んだり、元気がでる効果があるとされる動物介在介入に関心が高まっている。本書は、人と動物の関係がもたらす影響のメカニズムを心理学、行動生物学、生理学、神経内分泌学の観点から科学的に解説。各分野の基本から、研究結果まで説明しているため、異なる分野でも体系的に理解することができる。動物と関わることは、人に楽しみをもたらすだけではなく、心身の健康を促進させるということを科学的に解説した他に類を見ない一冊。
≪本書のポイント≫
○人と動物がふれあうことによって人の体内で分泌される「オキシトシン」のメカニズムを紹介。
○心理学の基本的な概念で、子どもと養育者が親密な関係を維持することを「愛着」という。人同士だけでなく、人と動物でも「愛着」関係を築くことができるのかを解説。
○「オキシトシン」と人と動物の「愛着」関係が、動物介在介入の効果につながるかを検証。
≪目次≫
第1章 人と動物の不思議な関係
第2章 なぜ人は動物とかかわろうとする意志と能力があるのか ~進化生物学の観点から~
・比較生物学者のアプローチ
・人のバイオフィリアおよび動物への興味
・人と動物の関係の基本メカニズム
・家畜化による社会的認知の一致
・どの伴侶動物か?
第3章 人と動物のかかわりによる健康、社会的交流、気分、自律神経系、およびホルモンへの効果
・序章
・健康へのプラス効果
・他者からの肯定的な社会的注目の改善と社会的行動の刺激
・学習の改善
・共感能力
・恐怖と不安の軽減と落ち着きの促進
・信頼および信頼性の増加
・前向きな気分と抑うつの軽減
・疼痛管理の改善
・攻撃性の軽減
・生理的効果
・結論
第4章 関係性の生理学 ~オキシトシンの統合機能~
・闘争・逃走反応、成長とリラクゼーション反応、落ち着きと連結反応
・オキシトシン作動系の化学的性質と形態
・オキシトシン受容体
・オキシトシン作動系の機能
・臨床的障害
・動物におけるオキシトシン放出
・人におけるオキシトシン放出
・機能的結果の実例
・母子間の一般的なオキシトシン効果
・オキシトシンと人と動物のかかわり
第5章 対人関係 ~愛着と養育~
・序章
・愛着と養育とは?
・補説 ~行動システム~
・行動システム ~愛着と養育~
・愛着システム
・養育システム
・愛着と養育パターンの分布
・不安定型と無秩序型愛着パターンの影響
・愛着および養育と社会的サポートとの関連性
・親密な関係への愛着と養育の伝達
・十分に発達した愛着と養育関係vs 安定した愛着を積極的に受け入れる姿勢
第6章 愛着および養育とその生理学的基礎とのつながり
・序章
・愛着と神経内分泌学システム
・生理的反応パターンと養育スタイル
第7章 人と動物との関係 ~愛着と養育~
・序章
・人と動物との関係は、愛着関係として概念化することは可能か?
・人と動物との関係は、養育関係として概念化することは可能か?
・愛着と養育行動との関連性
・人と動物との“不安定” で愛着のない関係
・愛着と養育 ~動物の要素~
第8章 要素を結びつける ~人と動物の関係における愛着と養育の生理学~
・人と動物の関係における愛着の基礎を成す生理学的・内分泌学的パターン
・人と動物のかかわりの健康促進作用に対する説明
第9章 治療への実用的意義
・治療との関連
・動物介在介入の前提条件としての動物と療法士との関係
・セラピー動物の選択
・人と動物にとっての動物介在介入の潜在的リスク
・社会における伴侶動物の健康促進潜在力
【監訳】太田 光明、大谷 伸代
【著者】Henri Julius、Andrea Beetz、Kurt Kotrschal、Dennis Turner、Kerstin Uvnas-Moberg
【判型】B5判 184頁
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